2018/6/11
意思決定支援て何だろう?
皆さん、「意思決定支援」という言葉を聞いた事はありますか?
私自身、「意思決定支援」について考えながら、自分自身の支援を振り返りますと様々な場面で意思確認を怠っていたのではないかという大きな反省があります。
最近耳にする、意思決定とはどんなことを言うのでしょうか?
私達は様々な場面で選択を重ねながら生きています。今日の朝食はパンにするのか?ごはんにするのか?今日はどんな服を着るのか・・・様々な選択の連続が人生を形成していくのではないでしょうか?つまり意思決定とは選択を繰り返すことで、自分の生きる道は自分で決めていくというプロセスのことではないでしょうか?
しかし、施設に入所をされている利用者様の生活を見てみますと様々な場面で「本人は判断ができないから」「全員の意見は聞く事は難しいから」等と様々な理由を付けて意思決定(選択)する経験や権利を制限してきた現実があります。これは私たち支援者がしっかりと反省しなくてはいけないことではないかと感じています。
その私たち施設職員に対して、しっかりと「選択肢を与えること」「選択をしていただくこと」「その経験に寄り添い、一緒に考えること」が求められているのではないかと感じています。
私達も人生を歩む中で、様々な失敗や成功経験を繰り返してきました。しかし、施設を利用されている利用者様に対しては失敗を恐れて、「これはリスク(事故になるから)があるから止めておこう」というように保護的になってしまっているのが現状です。しかし、「意思決定を支援する」ということを考えますと、失敗も成功も同じように経験してもらいながら成長を見守るという心構えが必要ではないか?と考えています。また、意思の表出が難しい方についてはいかに利用者様に寄り添いご本人の意向に沿えるかを常に考えながら支援を行うことが求められているのではないでしょうか?
そんな中で現在、弥富の里ではブログでも先日取り上げた「買い物実習」に取り組んでおります。これは買い物を通して、選ぶ楽しさや購入する難しさ、公共交通機関に乗るドキドキ感や不安感などの積み重ねながらそれぞれにとっての自立を目指す取り組みを行っています。
このように皆さんが経験を積むことで、いくつもの選択肢から、選ぶ経験を積み重ね、少しでも人生の幅が拡がっていけるよう利用者様と一緒にチャレンジしています。
現在「おもいをかたちにする支援者心得10カ条」というものを作り、毎日朝礼などで唱和しています。利用者さんの『おもいをかたちにする】ことを目指すことが意思決定支援のベースになるのかなと思いながら今日も支援に取り組んでいきます。
次回は、利用者様の日中の過ごし方をご紹介していきます。(T・W)